在庫管理 適正な在庫を知る

在庫を管理する店員

在庫はただ管理をすればよいというものではなく、どのタイミングでも素早く商品を提供できるよう、過剰在庫を抱え込まないよう、適正な在庫高を知った上で管理することが重要です。

ここでは利益の増減に直結する適正在庫を把握するために、平均在庫高を土台として商品回転率や在庫日数を計算する方法についてご説明します。

商品回転率とは、別名「在庫回転率」とも呼ばれています。

保有している商品の在庫が、一定期間内にどれだけ売れたかを数値化したもので、仕入れから販売に至るまでの過程の速度を表す指標ともなります。

回転率の単位は回数で表されます。例えば、企業が保有する在庫が1年の間に5度入れ替わったとしたら、その商品の回転率は5回転という数値になります。

商品回転率を知るメリット

在庫が入れ替わるスパンが早いということは、それだけ商品が売れているという証拠です。短期間に何回も在庫が入れ替わるのですから、当然商品回転率も高くなります。逆に、いつまで経っても在庫の量が変動しないということは、商品が売れていない証拠です。

つまり商品回転率を知ることで、現場ではどのような商品が売れているのか、どのような商品のニーズが高いのかを把握できるメリットがあるのです。また、人気のない商品もわかるので、より販売戦略が練りやすくなるのもメリットと言えるでしょう。

商品回転率が高いものだけを扱うようにすれば、売上を伸ばすのはもちろん、不要在庫を抱え込むリスクも回避できるので、安定した売上による企業の発展にもつながっていきます。

そして、いかに効率よく経営を行えているかを示す指標にもなります。商品の在庫管理をする現場サイドにとっては商品回転率になりますが、財務管理など経営サイドからすると棚卸資産回転率となるのです。

商品回転率をしっかり把握していれば、どの商品が人気なのか、どの商品の売れ行きが悪いのかも一目でチェックできるので、在庫管理や仕入れの効率もアップできます。

まずは平均在庫高を把握すること

商品ロスを単純に減らそうと思ったら、抱える在庫を少なくすればいいだけです。しかし、極端に在庫を減らせば欠品のリスクが高くなり、需要があるのに供給ができない機会損失という失態を招くことになります。

ロスをできる限りなくし、尚且つ機会損失を招かないために必要なのが適正在庫の概念を持つことです。在庫は現金化されていないキャッシュですから、在庫が多いとその分会社に残っているキャッシュが少なくなります。

しかし顧客に求められたときに商品を提供することは、売上アップや会社の信頼を得るために必要な要素です。ですので、常に在庫不足という状態ではなく、例え発注があるかどうか分からないとしても一定数の在庫を抱えなくてはいけません。ここで必要となるのが適正在庫です。

適正在庫を知る必要性

適正在庫とは、一定以上の在庫を抱えながらも、無駄に抱えすぎることなく機会損失のリスクを回避できる在庫のことです。適正在庫数は、サイクル在庫+ミニマム安全在庫という計算式で算出することができます。

サイクル在庫というのは、販売計画によって次の出荷までに必要な在庫数です。ミニマム安全在庫というのは、販売計画で算出した発注数などが予想とは違った時のために、あらかじめ確保しておく必要最低限の在庫のことです。

商品はメディアの影響によって需要と供給が突然変動することもありますし、現場からの情報にタイムラグが生じた場合でも在庫の数量に過不足が出ます。こういった変動や過不足を事前に予測できれば、適正な在庫数の把握が可能になります。

と言っても、販売数は毎日変わるものですし、あらゆる影響を受けて変動しますから、完璧な適正在庫数というのは割り出すことができません。しかし、平均在庫高という指標があれば、商品回転率と在庫日数により現実的な適正在庫をはじき出せます。

平均在庫高の求め方

平均在庫高とは、その商品の年間在庫高の平均値のことで、一般的には

(期首在庫高+期末在庫高)÷2という計算式で求めます。

ただ、この方法だと途中の変動幅が反映されないため、実態とは異なる数値が出てきてしまう可能性が高くなります。

より正確な数値を求めたい時は、毎週末または毎月末に行われる棚卸しで確認した在庫高を1年分合算し、それを12ヶ月で割る計算式のほうを活用したほうがよいでしょう。

商品回転率と在庫日数から適正在庫を判断

適正在庫

平均在庫高がわかったら、いよいよ商品回転率を計算してみましょう。

商品回転率の計算方法

商品回転率は以下の計算式で算出することができます。

商品回転率(回)=年間売上高÷平均在庫高

たとえば年間売上高が1,000万円で、平均在庫高が100万円の場合、商品回転率は1,000万円÷100万円=10回となります。

ただ、年間売上高には利益や損失が含まれており、仮に販売価格が途中で変動した場合、回転率も上下してしまいます。

そのため、売上高ではなく売上原価で計算するほうがより正確な回転率を算出することができます。

その場合、平均在庫高を求める計算式には仕入値を使用します。

在庫日数の求め方

適正在庫を知る上でもうひとつの指標となるのが在庫日数です。

手持ちの在庫商品が何日分の売上げに相当するかを示すもので、以下の計算式で求められます。

在庫日数=平均在庫高÷1日当たりの売上高(年間売上高÷365日)

年間売上高が1,000万円、平均在庫高が100万円だった場合、商品回転率は1,000万円÷100万円で10回。よって在庫日数は100万円÷(1,000万円÷365日)=36.5日になります。

一方、年間売上高が同じでも、平均在庫高が80万円だった場合、商品回転率は12.5回。在庫日数は29.2日になります。

両者を比較すると平均在庫高80万円の方が商品回転率が良く、1,000万円を売り上げるための資金(元手)が少なくて済むのがわかります。

さらに在庫日数も短くなっているので、商品ロスの発生リスクも小さくなると言えるでしょう。

このように商品回転率と在庫日数のバランスを考えながら店舗の適正在庫を見極めれば、より効率的に経営することが可能となります。


このページは以下の書籍を参考にして書かれています。
書籍では具体例も豊富ですので是非あわせてご参考にしてください。
【売り上げを伸ばす・利益を出す やさしくわかる「お店の数字」著者:山田公一 日本実業出版社】


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